IRRの例外(1)

ここまでIRRの指標としての有用性について述べましたが、IRRがいくら分かり易く有用な指標だとしても、その理論に当てはまらない例外ケースも非常に多いということも知っておきましょう。
IRRを含めて理論や分析モデルは、すべての条件(パラメータ)が想定通りに揃った時にのみ効果を発揮します。
その前提条件を無視して理論を使えば、実態とはまったくかけ離れた結果が算出されることになります。
IRRも同様で、次のような点を実務上は注意しなければなりません。

・IRRの前提は複利での再投資であること
IRRは銀行にお金を預け、複利で毎年利子をもらうのと同じ形式に合わせて不動産投資の利回りを当てはめたものです。
ですから、これと同じ状況、すなわち複利で雪だるま式に資産を増やすという状況を不動産でも作るには、毎年発生するキャッシュフローを、算出したIRRと同じ率で再投資するということが前提条件となります。
しかし、不動産は投資信託と違い、同じ商品をもう少しだけ追加購入したい、というような買い方はできません。
さらに、ほとんどの人は上がってきたキャッシュフローを生活費等に充ててしまい、再投資をする前提には必ずしもなっていないことも多く、これは銀行にお金を預けるという運用に当てはめる場合、利回りが低下する要因になります。